2016年8月30日火曜日

熊本城の被害状況と復興の足取り

熊本城に行ってきました。
主な目的は、「奇跡の石垣」と言われた建物の応急工事を見るためでした。
多くは報道されていない被害の大きさに驚き、状況を紹介したいとともに、現在は、城内を見学することが可能で、見学者でにぎわっていることを伝えたいと思います。皆さんが、熊本に行くことが復興のために役立ちます。
熊本市役所より。休日も解放されています。(H28.8月現在)

報道で紹介された「飯田丸五階櫓」。主目的としては、これを見学に来ました。
奥から屋根越しのキャンティレバー構造で崩落しそうな部分を下から支えています。
左下から支えることが危険という判断によるものでしょう。




奥は、天守閣。瓦が落ちていますが、遠くなので、よく解りません。
瓦を除けば、変形や傾きなど、外観上の大きな被害はここからは確認できません。



重要文化財の東十八間櫓(ブルーシートの個所に在った)
が、石積みと共に崩落しています。



入り口附近の馬具櫓。直下の石積みが崩落しています。
ここから、桜馬場の中を通って、階段を上って徒歩5分で
二の丸広場に着きます。桜馬場と二の丸広場を往復
する、無料シャトルバスも運行しています。
元気な方は、階段がお勧め。




入り口付近にある、桜馬場のお土産屋さんや観光案内所。
案内ボランティアの受け付けもここで出来ます。
私は、お願いしませんでしたが、聞き耳を立てていると、
解りやすく、お勧めで、次回はお願いしようと思います。

たまたま、この写真には人が少ないですが、お客さんで賑わっていました。
歌のイベントも開催していました。


未申櫓。南から見ると被害は確認できませんが・・・・



未申櫓、北西側の石積みが崩落しています。

二の丸広場から大小天守閣(中央と右)、宇土櫓(左)を見る。
手前の石積みの上に在った、回廊が向こう側に倒れています。
この部分の上部の石積みは昭和45~50年に復元されたものです。
この石積みの北側(写真左側)の続きが下の写真です。

 
完全に崩落しています。
この石積みの北側(写真左側)の続きが下の写真、 戌亥櫓(いぬいやぐら)。


戌亥櫓はかろうじて、崩壊を免れていますが、石積みは大きく崩れ、飯田丸五階櫓と同様に隅石で支えられています。この櫓の右(南)と左(東)の石積みは完全に崩落しています。



戌亥櫓を北東側から見る。


北大手門跡の西側。戌亥櫓まで石積みが崩落。


同じく北大手門跡の東側。石積みが崩落。



              
北大手門跡から、西大手門を見る。東側の石積みが崩壊。


最後に、宇土櫓と奥の大小天守を見る。
特に、重要文化財の宇土櫓は外観上は健在です。
あまり被害が見えず、少し、ほっとするアングルです。
二の丸広場の入り口から、ゆっくり歩いてここまで、
15~20分くらい。加藤神社も参拝できます。

今回は、飯田丸五階櫓の応急工事を見学に来たのですが、報道では石積みの被害が伝えきれておらず、その被害の大きさに驚きました。
建築の内部に入ることはできませんが、元々、私は復元された建築内部よりは、配置計画・石積み、そしてこれらの中に建つ建築の外観と構成が美しいのであって、これらは充分に見学可能であり、是非、見学に行くべきだと思います。それが、復興につながります。

文化財である石積みの上に、建築を再建もしくは復元することの難しさを痛感しました。これについては、後日、書きたいと思います。

                                                                                    シード建築設計事務所  種生

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